2012年07月31日
カントゥッチ

随分昔の話。
ローマ、フィレンツェ、ヴェネツィア、ミラノ。
(ここからは息継ぎなしで読んでください。)
イタリアの四都市を旅したときにアテンドしてくださったガイドさんがとても素敵な方で、美しい姿形に声、そして立ち振る舞いのすべてがクールでスマートでパーフェクト、まるで銀河鉄道999に登場するメーテルのような聡明で素晴らしい方だったのですが、イタリア旅行らしく道中数多の (何だか理不尽で納得のいかない) トラブルに矢継ぎ早に見舞われても、ぎゅーぎゅーと知恵を絞って、なりふり構わず額に汗をかいて懸命に何とかして下さったのが特に印象的で (そのフォローはいずれも完璧でとても納得のいくもので) 「こんな人が世の中に、それも日本人の中にいるんだ!」 と驚愕するとともに、もしもそのイタリア旅行が僕の最初の結婚の新婚旅行でなかったら、間違いなく 「恋人になってほしい」 または 「結婚してほしい」 と現地の花屋で手に入れた花束を差し出してアタックしていたはずなのですが、えーと、話がそれました、とにかくそういうガイドさんにそれもイタリアという魅力に溢れた国で出会えたことは今でもとても良い思い出として心に残っていて、そのガイドさんが 「これ、お土産に良いと思いますよ。二度焼きしてあるから水分がしっかり飛ばされていてカリカリとした歯ごたえを楽しめます。ワインやエスプレッソにつけていただいたりもしますよ。」 と教えてくれたのがこのカントゥッチで、輸入食材のお店などでカントゥッチを見かけると、あのガイドさんのことを今でも思い出すのでした。