こういう本を買っても、買って手元に置くだけで満足してしまいがちではありませんか?
なーんて。そんなことを偉そうに書く僕こそがそういうタイプなのですが。
よく目を通さねば、と思いました。
今回はこの本を、パラパラとではありましたがひととおり読んでいたので、毒の吸引にリムーバーが有効であるとか、口で毒を吸ってはいけないとか、蜂毒による
アナフィラキシーショックの怖さとか、そういうことを知識として事前に得ていたため、落ち着いて行動できました。
なお、この本のポイズンリムーバーについて説明したページの文章についてはちょっと直した方が良いかな、と今回の体験で感じましたので、出版元にその旨を書いたEメールを送っておきました。(大げさに思われるかもしれませんが、生死に関わるかもしれませんからね!)
リムーバーには扱い方の異なる二種類があるのです。
ひとつは
注射器のようにピストンを引っ張ることで毒液を吸引する単純なタイプ。
もうひとつは、
あらかじめピストンを引っ張っておいたリムーバーの先端を患部に押し当てて、ピストンを患部側に押しこむことで(特殊な弁の働きにより)陰圧状態を作り出して毒液を吸引するもの。
僕が今回使ったのは後者のタイプ。このタイプは陰圧状態にしたまましばらくそのまま数分間、リムーバーを押しあてたまま保持します。吸引している間の患部の様子は、例えれば鍼灸院で
カッピングという療法をしている映像を思い出してもらえればイメージしやすいでしょうか。リムーバー内が陰圧になることで吸引が始まると蜂に刺された個所が赤みを帯びながらぷくりと膨らむのです。
陰圧で吸引ってどういうこと?って?
はい。
空気は気圧が高いところから低い方へ流れる性質を持っていますから、肌に押しあてたリムーバーの内部の気圧を低くすることで、蜂の毒針が刺された穴から毒液と毒液が混ざった体液を噴出させるのです。
前者のタイプの方が扱い方が分かりやすくとっさに使いやすいのですが、吸引力は後者に劣るとのこと。
後者のタイプは吸引力は強いが、吸引の仕組みをあらかじめ頭で理解していないと適切に使えない。
"毒を吸い出す"="ピストンを引っ張る"
前者はこのイメージで迷わず使えば良いのですが、後者はその逆の使い方をしなければなりません。
この本では後者のタイプの写真のところに前者のタイプの使い方が書かれていたので、その点を修正してはいかがでしょうか、と連絡しました。
もしもお手もとに以前購入されたポイズンリムーバーがある方は、そして未使用の場合は、使い方をよく確認をしてくださいね。
その後どうなったか?
僕は、その日はあえて水分をたくさんとりました。とくかく体外に毒素を出したかったからです。実際に尿としてどれぐらい排出できるのかはよくわからないのですが、しないよりした方が良いような気がしたからです。
刺されてから夜眠るまでは患部である二の腕にチリチリと激痛が走り続けましたが、翌日には痛みが引きました。
患部をリムーバーで吸ったり水でよく洗ったせいか、そして冷たい水に浸したタオルや熱さまシートなどでよく冷やしたせいか、腫れることもありませんでした。
三発刺された人については・・・僕よりも重傷なので病院行きをすすめましたが、蜂に詳しい知り合いに自ら電話した結果、直行することはしなかったようです。
その日はリムーバーと水洗いの処置をしたのち数時間横になって休んでから、車を運転して帰宅されました。
時間が経ってから腫れることもあるようなので、そしてなにせ三発も刺されたのですから発熱ぐらいしていてもおかしくありません。
書いていてだんだん心配になってきました。
その方は僕よりも年齢が20ほど上の大先輩(男性)です。とはいえお体は丈夫そうで持病も無く、毎日鮎釣りにあちこち飛び回っているとてもお元気な方なのですが。
今日はお仕事が休みでご自宅で安静にしていたはずなのであえて連絡をとっていませんが、その後の経過を確認してみたいと思います。
みなさんも蜂の巣にはどうか気をつけて!