コモスクエアさんのキャラクターを募集していたので、応募しました。
採用されたデザインは着ぐるみにもなるとのことだったので、気合いを入れて考えて作ってみましたが・・・結果は、落選でした!
現在、上位の8作品を対象に最終選考がなされており、選ばれたキャラクターは5月頃にデビューするとのことですよ。
詳しくはコモスクエアさんのブログを見てみてくださいね。
わがコロモッチに投票してくれた皆さま、この場を借りてお知らせさせていただくとともに、お礼申し上げます。
コロモッチに清き一票を入れて下さり、どうもありがとうございました。
(下記は応募用紙に添付したプレゼン資料の一部です。入選作品については著作権、知的所有権、使用権がコモスクエアさんにいくようですが、落選作ならばもちろん自由。せっかく作ったのでここに発表させていただきます!)
あ、その前に、コロモッチについていくつか質問をいただきましたので、ここで回答します。
Q.あれはどうやって描いたのか?
A.描線はすべてエクセルの"図形"を用いて作りました。
Q.そういう仕事をしているのか?していたことがあるのか?
A.無縁です。しかし絵を描くのはこどもの頃から好きでした。特に小学校低学年の頃は、カレンダーや日めくり、包装紙の裏にいろんな絵をやたらと書き殴っていました。その後はほとんど絵を描いていませんが、今回やってみたらそれなりにできました。
Q.あのストーリーは何なのか?
A.応募にあたりストーリーをつける必要はありませんでしたが、キャラクターを作っているうちにどんどん浮かんできました。
Q.まったく可愛げがないが。
A.はい、あえてそうしました。コモスクエアはこどもが楽しめる場所というよりは、大人が集う場所だと思いました。ゆるキャラ全盛の中、あえてそっけない造形にして差別化を図ろうとしました。
コロモッチ ストーリー "Coromotcchi Story"
その昔、養蚕が盛んなまちがありました。
蚕は一本の糸をはきだしつづけ、やがてまっ白いまゆをつくります。人々は米俵のような形をしたまゆから絹や綿をつくりだして売ることで、生活の糧を得ておりました。
やがて世の中がめまぐるしく移り変わり、日本の養蚕産業は衰退してしまいました。そのまちも例外ではありませんでしたが、幸い自動車を作る会社の工場を誘致できたので、新たな時代の流れにうまくのることができ、豊かな暮らしをする人が増えました。
元々は、田畑を耕したり、山の木を育てたりする暮らしぶりをしていた慎ましやかな人たちでしたから怠けたり奢ったりすることなく、毎日一所懸命働いたそうです。
働き口があるため人口はどんどん増え、車の会社も順調にぐんぐん大きくなりました。
誰もが忙しい時代の到来です。
ぼやぼやしていたら、皆に置いていかれそうでした。
昔に比べて娯楽は増えましたが、子を産み育てて、家を建て、成人させたら結婚させて孫たちのことまで考えたら、とても長い時間遊んでいる気にもなれません。
仕事が第一。
美しく移り変わる山里の季節をゆったり楽しむ時間さえ、泣く泣く削ったものでした。
これでいいのだ、これでいいのよ。これが幸せだ、これが幸せね。働け、働け。
そう呪文のように呟く人々の口からは・・・いつしか真っ白い糸が出ていました。
途切れることなく長く続く糸。
無意識のうちに吐き出し続けているのでした。
蚕がまゆをつくるのは、自身が成虫に変化するためのいれものを用意するためです。
蚕の生育過程は一齢、二齢・・・という呼び方で数えますが、五齢を超えると糸をはいてまゆをつくり、その中でさなぎとなって体を変化させます。
ということは、まちの人々も蚕で言う五齢のような状態に差し掛かり、何か変化を迎えようとしているのでしょうか?
しかし人々が吐き出した白い糸は、それぞれの体を包み込むほどの量ではありませんでした。そうなる前に皆の糸はプッチン、と途切れてしまったのです。
そのまちで暮らしたり働いたりしている人々は、自身の身を削って糸を吐いていたことを自覚していませんでしたから、その後は何事もなかったかのように暮らしました。
糸はどうなったか?
実は、人々が知らないところで糸が集まって、ひとつのまゆを作っていたのです。
そのまゆは、そのまちでの仕事と暮らしに疲れた人々が吐いた糸で作られたものでした。
まちに関わる人々の何ともやるせない寂しい思いが糸となって紡がれたものでした。
そのまゆを頭にのせ、ある日突然このまちの片隅に誕生した生命体がありました。
生命体の名前は、コロモッチ。
五年程前、この街の駅前に建てられたビルがコロモッチが雨風をしのぐ住みかです。
コロモッチの胴体にはビルの窓のような模様があり、それは時折光を放ちます。耳はまるで自動車のタイヤのような形で、子供が話しかけるとクルクルまわります。お尻にはウインカーとブレーキランプ。コロモッチの態度はクールです。媚びや愛想は振りまきません。コロモッチに口は見当たらず何も語りませんが、子供だけでなく我々大人が話しかけるとクールな態度をやめて腕組みをし、話をとことんよく聞いてくれます。表情はないけれどその健気な姿から、我々を理解し尊重しようとしてくれていることがわかります。コロモッチの姿を運よく見られた人々は、コロモッチのまるでお餅のような体つきを見て何となく安心し、歩いたり止まったりするたびにチカチカ光るお尻に微笑み、そして最後に「それにしてもあのまゆはいったいなんなんだろうな?なにが詰まっているのだろ?」
と首を捻るのでした。
ゆるキャラ全盛の時代に気合いの入ったクールなアーバンキャラ。それがコロモッチです。